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BLOG コーチングといううつわ

コーチングでは“落としどころ”を用意しない?

コーチが“落としどころ”を用意しないことは、コーチングの特徴のひとつです。

「え?“落としどころ”なしで大丈夫なの?」ということを、少し考えてみました。

コーチは“落としどころ”を用意しない

先日、とあるコーチング本を読んでいたら、こんな記述がありました。

LESSON 06 コーチングの達人に向けて
SKILL51 “落としどころ”を用意しない

 コンサルタントとカウンセラーとコーチの違いについてきかれることがよくあります。
 コンサルタントは“行動を提案する”ことが特徴のひとつでしょう。カウンセラーは“ある心理状態を引き起こしている理由をクライアントから引き出す”のが特徴といえるでしょう。
 コンサルタントもカウンセラーも“相手をこういうところへ導きたい”という落としどころはちゃんと持っているのではないでしょうか。


 それに対して、最後の最後まで「で、あなたはどうするの?」ときき続ける、まったくなんの落としどころもなくクライアントに立ち向かっていくのはコーチの最大の特徴といえるでしょう。

鈴木義幸「新コーチングを人に活かす」(ディスカヴァー・トゥエンティワン、2020年)

コンサルタントやカウンセラーとコーチの違い、たしかによくきかれることです。
私自身も、コーチングを受けてくださる方にはガイダンスで必ず説明するようにしています。

いつもはこんな感じの表を使って説明しています。

この落としどころの有無というのは、シンプルで的を得た、すごくわかりやすいポイントだと思います。

最近、優秀なコンサルタントの方たちとお仕事させていただく機会があったのですが、彼らは常に自らの仮説を構築し、検証しながら、コミュニケーションを取るように訓練されています。
その姿勢は、コーチングとは別物だけど、プロフェッショナルとしてかっこいいなと憧れます。

クライアントも“落としどころ”を用意しない?

では、コーチングのクライアントはどうなのでしょう?

コーチングは、コーチとクライアントのふたりでつくるものです。
コーチが“落としどころ”を用意していないのならば、クライアントが用意しておかなくてはならないのでしょうか。

答えはNOです。

クライアントも“落としどころ”は用意しません。

たしかに、テーマやゴール(そのセッションで手に入れたいものや状態)はクライアントが用意します。
そのゴールに向かって「で、あなたはどうするの?」ときかれつづけることで、
クライアント自身が予想もしていなかった答えが出てくるのがコーチングです。

クライアントはテーマやゴールは用意するけれど、“落としどころ”は用意しないんですね。

“落としどころ”はなくても、“至るところ”はある

コーチングでは、コーチもクライアントも“落としどころ”を用意していません。

セッションはただのおしゃべりではありません。
価値ある対話の時間です。
そして、時間は限られています。

“落としどころ”を用意していなくても大丈夫なのでしょうか?

はい、大丈夫です。

なぜなら、“落としどころ”を用意しなくても、“至るところ”はあるんです。

コーチングセッションの終盤では、必ずそのセッションのふりかえりをします。

コーチはクライアントに問いかけます。

気づいたこと。
手に入れたこと。
変化したこと。
この時間でどこまで進んだのか。

セッションで至った現在地を確認し、さらにそのさきに向かって問いかけます。

「で、あなたはどうするの?」

コーチングには“落としどころ”はありません。
話すことで至った、“今”があります。
それは、そのさきにずっと続いていく学びと成長のプロセスの一部なのです。

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