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BLOG うつろう風景

せっかくだから、温泉にあひるを連れていく

温泉が好きです。
大きなお風呂であれば銭湯でもいいんだけど、温泉だったらより嬉しい。
そして、露天風呂があったらもっと嬉しい。

足繁く温泉に通うようになったのは、滋賀に引っ越してからのことです。
車で気軽に行ける範囲に、日帰り温泉がいくつかあります。
休みの日に早起きして朝風呂に行ったり、家族で出かけた帰りに寄ってさっぱりしたり、「あー、とにかくひとりでのんびりしたい!」という時の逃げ場にしたり、気分や用途に応じて通い分けています。

温泉はいいですね。
お湯に浸かっていると、ほどける、とける、ただよう、そんな感覚になります。
お湯に委ねて、自己の境界が曖昧になっていく。

「サ活」って聞きますね。
サウナ→水風呂→外気浴を繰り返すことで「整う」っていうアレです。
私は、サウナはたまに入る程度ですが、温浴からの外気浴を好んでやります。
風が皮膚を撫でる感覚が好きです。
曖昧になった境界線を、外気に触れられることで確認していく時間です。

曖昧にしたり、確認したり、そういうことを繰り返しているうちに、
余分なものを手放して、必要なものを受け取って、少し輪郭のスッキリした私になっている気がします。

先日、好きなバンドのCDを買ったら、特典でお風呂セットが付いてきたんです。
お風呂桶と、タオルと、あひるちゃん。
あひるちゃんというのは、ラバーダックです。お風呂に浮かべるあひるのおもちゃ。
推しだから、無条件で特典付限定盤を買うんですが、私にはコレクション趣味はないので、特典はありがたく使わせていただきます。
お風呂桶とタオルは温泉通いにもってこいなのですが、あひるちゃん…
せっかくだから、あひるも温泉に連れていくことにしました。

私の温泉セット
意外とイカツイあひるちゃん

「せっかくだから」って、日常から逸脱させるマジックワードですね。
日常的思考の範囲だったら、あひるちゃんなんて連れて行きませんよ。
だって、要らんし。なんならちょっと邪魔だし。
でも、連れて行ってみたら、結構楽しかった。
ジャグジーの激流に飲まれたり、陽の差す露天の水面に写るタイルの中を揺れたりしているあひるちゃんの姿を眺めているうちに、その風景に親密さと安心を感じている自分に気づきました。

日常からの逸脱といえば、旅行って、「せっかくだから」を連発している気がします。
せっかくだからあれ食べよう、あそこも寄ろう、やってみよう、見てみよう。
日常からの逸脱のオンパレード。
余分なことをしてしまうこともあるけれど(ついつい食べ過ぎちゃったりね)、そこには新たな出会いと気付きがあります。

コーチングも、「せっかっくだから」が働く場のような気がします。
普段はこんなこと話さないんだけど、コーチがいるから、貴重な時間を確保したから、せっかくだから話してみよう。
そうやって話してみることが、今の思考や感情、行動を超えた可能性につながっていきます。

そういう「せっかくだから」って、別に大したことじゃなくていいんです。
まずは日常の枠組みから出ることが大事な気がします。気軽にコンフォートゾーンを出るんです。
そういうことに慣れていくと、軽やかに大きな挑戦ができるようになるんだなって、コーチングをやっている方たちを見ていると思います。

「せっかくだから」に乗っかって、ちょっといつもと違うこと、やってみませんか?

ちなみに、お風呂セットのついてきたCDは、Tempalayの「あびばのんのん」というシングルです。
謳い文句は「ドリフターズ以来の令和お風呂ソング」、テレビ東京系ドラマ25『サ道2021』エンディングテーマです。
‘あの夏’感の溢れる、おおらかで美しいお風呂ソングです。
せっかくだから、聴いてみてください(^^)